小さな虫という巨人
2019年10月07日
株式会社ハッピーコンビの荒井幸之助です。
近年の人口増加で訪れると予想される食糧危機において、虫は貴重な食料源として注目されています。
昆虫食については、子供の頃にイナゴや蜂の子を普通に食べていたことを思うと一定の免疫はありますが、まだまだ自分が初級者であることを思い知った出来事を思い出します。
以前仕事で昆虫食を研究している方に出会いました。その方は、昆虫の種類や産地にまでこだわって味わっていて、世界の昆虫食を制覇する、と意気込んでおられました。話を聞けば聞くほど、いやはや凄い人がいる、と思ったのですが、こうした方が、将来世界を救うのかもしれません。
昆虫ではありませんが、そんな虫絡みで、ついにきたか!というニュースを最近目にしました。
おしっこ1滴で線虫によるガン検査ができ、その発見率も85%の確率で特定できるというもので、ついに実用化が2020年の1月に決まったそうです。
このサービスを開発したのは、株式会社HIROTSUバイオサイエンスという会社です。
生物学者として線虫の嗅覚研究をしてきたこの会社の社長でもある広津崇亮さんが、ある条件下において、線虫が人の尿中からがんの匂いを検知してがんに罹患している人とそうでない人を高精度に嗅ぎ分けることを発見しました。
以前、この記事を読んだときにも驚きましたが、ついに実用化かあ!と興奮したわけです。
日本人の死亡原因の第一位がガンであることは広く知られていますが、その検査となると様々あるものの、初期のものでは発見率がとても低いこともあり、決定的な対策がない状況でした。
ですから、今回の検査はなんとも凄い!これで多くの命が救われるかもしれません。
ちなみに、この検査を担う小さな1ミリ程度の線虫は、犬を遥かに超える嗅覚を持つそうで、機械などでも到底かなわないそうです。小さな巨人ですね。
以前、アニサキスという線虫にえらい目にあった身としては、線虫と聞くと嫌な気持ちにならざるを得ないのですが、それはそれ、これはこれ。その存在価値を素直に認めます。
人類に希望を与える虫の力、今後も目が離せませんね。