加速する人生
2022年06月24日
株式会社ハッピーコンビの荒井幸之助です。
子どもが「やりたいことがありすぎる!もっと時間がほしい!」と嘆いていました。
宿題、習い事、ゲーム、動画視聴、友達と遊ぶ、などなど、確かに1週間が(遊びも含めて)かなりタイトなスケジュール。
自分の子ども時代とは比べものにならないハードスケジュールではないか!
いつから、なぜそうなったのか・・。
私の子どもの頃は、それこそ自然しかない感じ。
小学校の高学年までは、習い事もゲームも動画視聴もなありませんでした。
その日、その時の気のままに、友達と缶蹴りをしたり、かくれんぼしたり。
野球をしたり、その時々で心に浮かんだ好きなことをするだけでした。
家に帰ってもテレビを観ていたのは覚えていますが、他に何をしていたのか・・。
時間がないという感覚はまるで無かったと思います。
寝転んでぼーっと天井を眺めると、木目の模様が人の横顔や動物などに見える。
そんな感じで暇な時間は、何かをじーっと見て、ぼーっと過ごしていたように思います。
自分の子どもの頃の過ごし方を子供達に話したら、意味がわからない、と一蹴されました。
そういう時間を経験していないのかな。それで良いのかな。
やりたいことがたくさんあるという子供達の嘆き。
幸せなことだなあと思う反面、何かに急かされているよう。
むしろ、逆にそういうものに支配されているような不自由さを感じてしまいます。
でも、今は私もそうなのだ。
仕事はもちろん、情報番組を視聴する時、移動の時、買う物を選ぶとき、少しでも時間を節約しようとしています。
録画した番組も動画も、いつの日からか早送りで見ることが習慣化しています。
私も急かされて生きているようです。やりたいことをするために?
では何をしたいのか。
平日は仕事が中心のため、時間の節約はできても、プライベートな時間は帰宅後のひととき。
睡眠を削るとすべての質が落ちるのでそれだけはしません。
よって、週末が節約して貯めた時間の使い処のようです。
動画配信サービスのドラマや映画を観る、本を読む、そんなところか・・。
ん?それらのために、いろんなところを頑張って節約して生きている。
それで良いのだろうか。自分のいろんなところの質が少しずつ落ちてはいないか。
やりたいことがたくさんある幸せと、何もなくてぼーっとする幸せ。
どっちが良くてどっちが悪いというのはないでしょう。
でも、自分を追い込みすぎるのは不幸せな気がする。
「忙しい」って「心を亡くす」という由来がありますからね。
マイクロソフトの研究によると、2015年の時点で人の集中力は8秒だそうです。
2000年は12秒だったそうです。短くなっています。
そして金魚が9秒だそうです。
え?私たちは何か新しい時間の捉え方、人生の価値観を取り入れないといけないのでは。
そうしないと、もっと人生は加速して、忙しくなって、集中も我慢もできなくなっていきそう。
世の中が殺伐として来たのは、そんな忙しい人が増えたからではないか。
周りの人に向き合わずに自分にだけ向き合う人が増えたからではないか。
何かをただぼーっと見る時間の効能。
その価値を再認識すべきだと思いました。
だから、経営者には瞑想する人が多いのかも。
ぼーっとする。これを新たなビジネスの核にするのが人や人類を救うことにつながるかも。
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