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第二創業と人材育成

2023年04月19日

株式会社ハッピーコンビの荒井幸之助です。

最近は何かと事業承継の仕事に関わることが多くなっているのですが、事業承継後に次世代の経営者がこれまでとは異なる分野に新規事業展開する時に、その点を強調して第二創業と呼んだりします。

第二創業自体の意味は、事業承継にかかわらず広く現在とは異なる事業分野に展開することを意味していますが、経営環境の変化が早い昨今、こうした事業承継が増えているように見受けられます。

国もこうした経営環境の変化を見て、事業承継・引き継ぎ補助金や事業再構築補助金等の施策で応援しているのですが、当然に新たな事業展開のリスクは、既存事業との関連性が薄れるほどに高まってきます。

こうしたリスクを少しでも減らすため、新たな事業の事業ノウハウの修得が必要になります。良くある例では、フランチャイズに加盟して手軽にノウハウを獲得することが挙げられます。以前、幾つもの異なる業種のフランチャイズに加盟して、事業を多角化して上手に稼いでいる会社がありました。その会社のご支援の目的は、こうした複数の事業をまとめたりコントロールするマネージャーの育成でしたが、実に要点を得た上手なお金の使い方、稼ぎ方をしていると思いました。

新たな分野に進出する際に、こうしたフランチャイズなどからノウハウを得たり、外部からその道のプロを得ずに独自にノウハウを得て展開する会社も多々あります。その場合は、会社によって、そうした新たな事業を担う人的資源の優劣が出てきます。大企業ならともかく、中小企業の人材は限られているため、日常的に新たなプロジェクトを組んで新規事業に進出する、というのは現実的ではありません。そのため、事業承継という会社の大きな転換時に次期経営者が自ら修行に出たりして新たな事業のノウハウを身につけて、親族等の会社に戻り事業を転換していく、という方法が中小企業の新規事業進出の有力な選択肢となります。こうして中小企業の事業が、儲からない商売から儲かる商売に新陳代謝されていくわけです。

しかし、事業承継という大きな転換時が中小企業の第二創業の適時となると、これまでは同じ事業で比較的長い時間事業を継続できたため、中小企業の強みが生きてきたのだと思いますが、その機会は限られます。現代のように経営環境の変化が激しく、事業のライフサイクルが短くなっている場合は、その強みが活かされにくくなっています。そう考えると、むしろ新規事業にチャレンジしやすいのは、人材が豊富な大企業もしくは、既存事業に縛られない創業者ということになります。

では中小企業として環境の変化にどうやって対応して行くかと言えば、新規事業進出という大きな転換の手前に位置する新商品の開発や新市場開拓などの行動で変化に対応していくことが重要になると考えます。これを全社で取り組むために必要なのが、既存の人材を育成することです。自立した人材を増やすということです。

これからインフレの進行と共に人件費の高騰による人材獲得競争も激化するでしょう、中小企業が優れた人材を採用することはますます難しくなると考えられます。これから中小企業にとっては、大企業以上に、今いる人材の育成が企業の成長と継続の鍵になると考えています。

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