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経営をする人は誰か?

2023年10月27日

株式会社ハッピーコンビの荒井幸之助です。

これまでたくさんの中小企業の経営支援に携わってきましたが、他の経営支援機関から支援を依頼される場合は、想定以上に厳しい状況にある会社も多いため、分析をした結果、弊社では支援できないと判断するケースもあります。私たちがそう判断するケースの多くは、財務的な問題よりも、ほとんどが経営者の経営への姿勢や認識に問題があるケースです。具体的には、経営者が経営に明確な目的がないケースです。

景気の良いときには、会社は実力以上の業績を上げることがあるのでしょう。運も実力のうちだとは思いますが、そうした経験をした経営者で、世の中の変化や新たな経営スキルを全く学ばずに、借入れを続けて会社を存続させることだけが経営者の仕事だと勘違いしている場合があります。うまくいかない経営のやり方も、ご自身の日々の時間の使い方も見直さずに、ただ何となく日々の仕事をこなして終わりという経営者と未だに出会うことに驚きます。

本来であれば、資金を融資してきた金融機関がその経営者に対して何らか注意のメッセージを出すべきですが、金融機関もボランティア団体ではありません。会社や経営者個人に資産がある場合、それを見ながら融資を実行していきます。もちろん経営にはリスクがつきものですから、完璧な融資判断はできません。それでも、もっと会社の数字だけでなく、経営者を見て、知って判断べきだと思います。制度的にそうした流れになってきたのは幸いだと思いますが、地方によってはまだまだ意識が古いところもあります。

経営者を知るという意味では、知れば知るほど「この会社は誰が経営しているのか?」という疑問でいっぱいになる会社もあります。経営者は名ばかりで、赤字経営の借金漬けで債務超過なのに、借金は会社の実力、というおかしなプライドで危機感がなく、経営判断は全て現場の成り行きに任せ、給与は従業員に言われるままに増やし、会計は会計事務所に丸投げして、毎日損失がいくら増えているかもわからない。驚いたのは、私がその会社に話を聞きに行ったとき、ただで(国や金融機関のお金で)自分の代わりに経営をしてくれる人が来るという認識でいたことです。経営者の自主性の無さ、認識の酷さから、ご支援を丁重にお断りしました。経験的に、年齢を重ねた人の考え方を変えることほど難しい事はないからです。

これは5年以上前に出会ったある地方都市の、かなり目立つ規模の会社の実例ですが、過去にも似たような会社に何社も出会っています。まさに船頭のいない穴の空いた船が、波の流れに身を任せてただ流されるままに、いつ沈没するかわからない状況です。それでも船の上にいる人は誰も危機感を抱いていないというのが怖いところです。残念ながら、その会社はその後、多額の負債を抱えて無くなったという話を人から聞きました。会社経営とは弱肉強食の最たるものである、という当たり前だけど忘れがちな、シビアな現実を突きつけられます。

日本の人口が増加していて皆が儲かりやすかった時の経営と、人口が減少していて皆が儲かりにくくなっている現代の経営を比べると、後者では特に経営者の判断力が重要だと考えています。その理由は、儲かる分野に限られた経営資源を優先的に配分し、ダメそうな分野から撤退したり、縮小するという判断をしなければいけないからです。

撤退や縮小の判断をすれば周りからの反発があるし、もしそれが間違ったときには責任を取ることも求められます。つまり、経営者として本来の、当たり前の行動ができるかどうかが問われるわけです。でも、これができない経営者が多いのではないでしょうか。

そう考えると、これは経営者だけでなく、日本という国自体が、この問題を抱えているように思えてなりません。これからも明るい未来を見据えた舵取りができるように、アンテナを高く広く保つ努力をしていきたいと思います。

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