庭と木と、会社と人と
2025年07月21日
株式会社ハッピーコンビの荒井幸之助です。
私は趣味でガーデニングをしています。
草花が好きな祖母の影響で、小さな頃から親しんできました。
身近な小さな自然に触れるだけで、心身が共に健康になるような気がします。
特に樹木にはそれなりに興味があった私ですが、改めてその魅力に気づかされた出来事がありました。
それは、お世話になっている社長のお庭掃除を手伝ったことでした。
場所は、かなりの間使っていなかった、とある別荘。
そのお庭にはたくさんの木々が生い茂り、まるでジャングルのようでした。
その時のミッションは、お庭を綺麗にして、そこでバーベキューをすること!
食いしん坊の頭に浮かぶのは、肉汁したたる大きなお肉やキンキンに冷えたビールです。
やる気が出ないわけがありません。
草を刈ったり、のこぎりや剪定ばさみなどで木の枝を切ったり運んだり。
その時に印象的だったのは、木の見た目とは異なる重さです。
とにかく重い!葉が多い!もうヘトヘトなんてものではありません。
作業を終える頃には疲れ切っていました。
無事に最高のバーベキューにはたどり着いたのですが、
その日、作業後のビールの美味しさと一緒に印象に残ったのは、身近にある何気ないけど圧倒的な木の存在感。
その自然の前で、自分の軟弱さを思い知らされたわけです。
それから樹木の管理に興味を持ち、ベテラン庭師の方に弟子入りしました。
週末や休日に同行させていただき、剪定や伐採の基礎を教えていただきました。
その師匠は仕事には厳しい方でしたが、普段はとても優しいことと、立ち居振る舞いが美しいことが印象的でした。
例えば、何度か一緒にお食事をしたのですが、自分が恥ずかしくなるくらいに食べ方も美しい。
その美しい姿勢や心が、美しいお庭を創る基になるのだろうと思ったものです。
そうした知識と経験を携えてから数年後。
再び冒頭お伝えした社長のお庭をお掃除する機会ができました。
その時には、以前とは異なり植物の種類の違いに合わせた適切な剪定を施せるようになりました。
暴れ放題の木々も、適切に管理をすれば、見た目も美しく、穏やかな姿に保つことができます。
生存競争を生き抜くため、なりふり構わず野生の力を発揮するのが自然の植物です。
でも、人の手で適切に管理されることでエネルギーの無駄がなくなり、病害虫にも侵されにくくなります。
その結果として、より健康に長く生きることができるのです。
これまでお付き合いしてきた経営者の方は、盆栽や庭木など、植物が好きな人が多くいらっしゃいました。
そうした方々にも育てられながら、庭師としての技術は、ささやかですが一般の方にも提供できるようになりました。
自分が楽しいうえに、人から直に感謝される仕事というのは本当に嬉しくありがたいものです。
庭師として庭や樹木などのことを考えることは、会社経営を考えるうえでも大いに役立っています。
まったく同じお庭や木がないように、まったく同じ会社もなく人もいません。
それぞれの環境と強みから将来の発展と永続を見据えた戦略を立てて実行する。
庭も木々も会社も人も、その成長には同じ原理原則があるように思います。