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中小企業事業再構築補助金について

2020年12月02日

株式会社ハッピーコンビの荒井幸之助です。

政府の成長戦略会議が12月1日にまとめた「実行計画」に、中小企業の業態転換を促進する補助金の方向性が示されました。

中小企業の合併による規模拡大や、買収による経営資源の集約などへの税制上の措置のほか、成長途上にある中堅企業も支援策の対象に含めるための法改正を検討していて、新型コロナウイルス禍による「新たな日常」に対応した企業の構造改革を補助金などで促します。

2020年度第3次補正予算案や21年度予算案の編成に反映され、業態転換や規模の拡大、新分野への進出などを補助の対象とする方向のようです。

給付額を最大200万円を給付する「持続化給付金」は予定通り21年1月に受付終了の方向で、この新しい中小企業事業再構築補助金は後継制度になるようです。補助金額は100万円から1億円となるようで、企業にも一定割合の負担を求めます。

以下に、この中小企業事業再構築補助金について、経済産業省の第3次補正予算案の事業概要からわかる情報をお伝えします。

1.補助金額と補助率

大きく 1)中小企業と 2)中堅企業で分かれます。

1)中小企業では、さらに二つに分かれて「通常枠」と「卒業枠」で異なります。

「通常枠」の補助額は100万円以上6,000万円以下、補助率は3分の2です。

「卒業枠」の補助額6,000万円超から1億円以下で、補助率は3分の2です。

なお、この卒業枠は400社限定となっていて、①組織再編、②新規設備投資、③グローバル展開のいずれかのために、中⼩企業から中堅企業へ卒業する?(成長する)事業者向けです。卒業という表現が、そっちに引っ張りたい気持ちを表しているように感じます。

2)中堅企業では、これも二つに分かれていて、「通常枠」と「グローバルV字回復枠」で異なります。

「通常枠」の補助額は100万円以上8,000万円以下で補助率は2分の1です。補助額が4,000万円超の場合は補助率が3分の1になります。

「グローバルV字回復枠」の補助額は8,000万円超から1億円以下で、補助率は2分の1です。

なお、このグローバルV字回復枠は100社限定で、以下の3つの条件をクリアする必要があります。

①直前6カ⽉間のうち、売上⾼の低い3カ⽉の合計売上⾼がコロナ以前の3カ⽉の合計売上⾼と比べて15%以上減少している。

②事業終了後3~5年で、付加価値額⼜は従業員⼀⼈当たり付加価値額の年率5.0%以上増加を達成する。

③グローバル展開を果たす事業である。

ちなみみ中堅企業は、中小企業より大きく大企業よりも小さい、という規模だと思いますが、経済産業省の白書等の定義によると製造業で中堅企業の場合は、売上金額が1,000億円未満、又は常用雇用者数が301人以上1,000人未満の企業となっています。地域でも目立つ大きな企業が該当する感じでしょうか。詳しい定義は公募要領(補助金の申し込み方法や書式が記載された説明書)が出てから確認となりそうです。

2.対象となる企業

①申請前の直近6カ月間のうち、売上高が低い3カ月の合計売上高が、コロナ以前の同3カ月の合計売上高と比べて10%以上減少している中小企業。

②自社の強みやヒト、モノなどの経営資源を活かしつつ、経産省が示す「事業再構築指針」に沿った事業計画を認定支援機関や金融機関とつくる中小企業。

①はコロナで影響を受けていれば相当数の企業が該当するのではないでしょうか。

②は、ものづくり補助金と似た雰囲気です。ちなみに弊社は認定支援機関ですので、事業計画作成のお手伝いをさせていただくことも可能です。

3.申請方法

中小企業事業再構築補助金は、他の補助金と同様に電子申請となりそうです。

申請にはGビズIDの登録が必要となりますので、今から準備しておくと良いと思います。

以下がリンク先です。

https://gbiz-id.go.jp/top/

ここでご紹介したのは、あくまでも速報です。

今後、実際に応募が開始した際には、事業再構築補助金のサイトから、必ず最新の応募要領をご確認の上、申請してください。

なお、補助金や助成金のこと全般については、弊社サイトのページが参考になるかもしれません。

以下がリンクとなっています。

補助金、助成金申請支援

さて、菅さんの政権になってから、中小企業政策に変化が訪れているように感じます。その背景にデービット・アトキンソンさんの存在があるのではないか、と思っています。

デービッド・アトキンソンさんは、政府が新たに設置した「成長戦略会議」の議員です。小西美術工藝社の社長で、社寺殿堂、邸宅、文化財及び国宝建造物等に対する美術工芸工事を請負う仕事をされています。

これまでも、観光や経済政策を中心に助言をしてきたブレーンの一人ですが、この方の著書「新・観光立国論」などでは、日本には小規模な企業が多すぎ、そのため生産性が低い、と指摘していて、中小企業の規模拡大を促す政策を後押ししているように思います。

事業承継の課題も含めて、これから小規模企業のあり方も大きく変わりそうな予感がします。

ちなみに、政府の小規模事業者への支援額も増額されます。来年は丑年ですね。相場用語ではブル(雄牛)は上昇を意味しますが、コロナ禍への対応と共に、積極的に改善、革新する会社の追い風となる年になるのかもしれません。

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